発達障害(ASD、ADHD、LDなど)|佐倉心療内科クリニック|千葉県佐倉市京成臼井駅

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発達障害(ASD、ADHD、LDなど)

発達障害(ASD、ADHD、LDなど)|佐倉心療内科クリニック|千葉県佐倉市京成臼井駅

発達障害(神経発達症)

発達障害(神経発達症)とは、生まれつきの脳の機能の発達に偏りがあるため、対人関係の構築やコミュニケーション、学習などに困難が生じる状態です。本人の努力不足や親のしつけが原因ではなく、適切な環境調整や周囲の理解によって生きづらさを軽減できます。主な種類として、以下の3つが挙げられます。人によってはこれらの特徴が複数重複することもあります。

  • 自閉症スペクトラム障害症(ASD)
  • 注意欠陥多動性障害(ADHD)
  • 学習障害(LD)

自閉症スペクトラム障害症(ASD)

自閉スペクトラム症(ASD:Autism Spectrum Disorder)は、生まれつきの脳機能の偏りによる発達障害の一つで、主に「社会的コミュニケーション・対人関係の困難」、「興味や行動の強いこだわり(反復行動)」、そして「感覚の特性」という3つの大きな特徴があります。

●代表的な3つの特徴

1.社会的コミュニケーションや対人関係の困難

  • 相手の表情や気持ち、場の「空気」や暗黙のルールを読み取ることが苦手である。
  • 言葉を文字通りに受け取りやすく、雑談や比喩表現の理解に戸惑うことがある。
  • 双方向の自然なやり取りやタイミングをつかみにくく、一方的な話し方になりがちである。

2.興味や行動の偏り(こだわり)

  • 特定の分野に強い興味や関心を持ち、深い没頭や優れた記憶力を示すことがある。
  • 日課やスケジュール、物の配置などが変わることを嫌い、決まった手順を好む。
  • 同じ動作を繰り返す(こだわり行動や自己刺激行動)。

3.感覚の特性(過敏・鈍感)

  • 大きな音、特定の光、衣服の肌触り、においなどに強い苦痛を感じる(感覚過敏)。
  • 一方で、痛みや熱さに気づきにくかったり、強い刺激を求めたりする(感覚鈍麻)。

●年齢による現れ方の違い

乳幼児期・児童期の特徴

  • 名前に反応しない、視線が合いにくい、指さしや身ぶりが少ない。
  • 同世代の子どもに関心が薄く、一人遊びを好む。
  • 急な予定変更でパニックや強い不安を起こしやすい。

大人になってからの特徴(いわゆる大人のASD)

  • 子どもの頃は周囲のサポートや努力で目立たなかったものの、就職や結婚などの環境変化で「仕事の進め方が臨機応変にできない」「人間関係で極度に疲れてしまう」といった困りごとから気づかれることがある。

●治療

自閉スペクトラム症(ASD)には、根本的な原因そのものを治療して「完治」させる医療はありません。しかし、本人が生きづらさを感じている「生きにくさ」を和らげ、社会の中で自分らしく生活できるようにするための「療育(発達支援)」や、環境を調整する「環境調整」、困った症状に対する「お薬」によるアプローチがあります。

1. 療育(発達支援)と心理社会的アプローチ

本人の特性を理解し、コミュニケーションのスキルや日常生活の困りごとを減らすための練習を行います。

  • TEACCH(ティーチ)プログラム:空間や時間を視覚的に整理し、世界を予測しやすくするアプローチ。
  • 応用行動分析(ABA):望ましい行動に対して褒めたり、小さなステップに分けたりして、新しいスキルを学ぶ。
  • ソーシャルスキルトレーニング(SST):挨拶、頼み事の仕方、相手との距離の取り方など、対人関係のルールを具体的に練習する。

2. 環境調整(環境のバリアフリー化)

本人の努力だけで解決しようとせず、周囲の環境を本人の特性に合わせることで、パニックや過度な疲労を防ぎます。

  • 視覚的なスケジュール化:「次に何をするか」をイラストや文字で分かりやすく提示する。
  • 感覚過敏への対策:大きな音が苦手な場合はイヤーマフを着用する、眩しい照明を遮るなど。
  • あいまいな表現を避ける:「適当にやって」「ちゃんと片付けて」ではなく、「15時までにこの書類を10枚コピーして」「おもちゃを青い箱に入れて」と具体的に伝える。

3. 薬物療法(対症療法)

ASDそのものを治す薬はありませんが、日常生活に強い支障が出ている二次的な症状(イライラ、不眠、強い不安など)に対して、一時的または補助的に薬が処方されることがあります。

  • 易刺激性(イライラ、かんしゃく、自傷行為など):リスペリドン(リスパダール)やアリピプラゾール(エビリファイ)などが、症状を和らげるために使われることがあります。
  • その他の随伴症状:不眠、不安、抑うつ症状、注意欠陥・多動性障害(ADHD)が併存している場合、それぞれの症状に応じたお薬が検討されます。

注意欠陥多動性障害(ADHD)

注意欠陥多動性障害(ADHD:Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder)は、生まれつきの脳機能の特性による発達障害の一つで、主に「不注意」、「多動性」、「衝動性」という3つの大きな特徴があります。

自閉スペクトラム症(ASD)を併せ持つ人も少なくありませんが、ADHDは特に「集中力の維持」や「行動のコントロール(ブレーキ)」に難しさがあるのが特徴です。

●代表的な3つの特徴

不注意(集中力が続かない、うっかりミスが多い)

  • ケアレスミスや物の紛失、忘れ物が多い。
  • 気が散りやすく、一つのことに集中し続けるのが苦手である。
  • 約束や締め切りを忘れたり、物事の手順を立てて進めるのが苦手である。

多動性(じっとしていられない、落ち着きがない)

  • 授業中や会議中に席を離れたり、体をもぞもぞと動かしたりする。
  • おしゃべりが止まらなくなったり、静かに過ごすべき場所で騒いでしまったりする。

衝動性(考える前に動いてしまう、我慢が苦手)

  • 相手が話し終える前に遮ってしゃべり出してしまう。
  • 順番待ちが苦手で、イライラしたり割り込んでしまったりする。
  • 欲しいものがあると、先のことを考えずに衝動買いや衝動的な行動をしてしまう。

●タイプによる分類

すべての特徴が強く出るわけではなく、人によって現れ方が異なります。

不注意優勢型(いわゆる「のび太くん」タイプ)

  • 忘れ物やうっかりミスは多いが、おとなしいため周囲に気づかれにくい。女性に比較的多いとされる。

多動・衝動性優勢型(いわゆる「ジャイアン」タイプ)

  • 体がよく動き、衝動的な行動が目立つため、幼少期から周囲に気づかれやすい。

混合型

  • 不注意、多動、衝動性のすべての特徴がバランスよく(あるいは強く)現れる。

●年齢による現れ方の違い

子どもの頃の特徴

  • 授業中に立ち歩く、忘れ物が多い、友達に手が出てしまう、片付けができないなどで叱られることが多い。

大人になってからの特徴(大人のADHD)

  • 年齢とともに「体をもぞもぞ動かす」といった目に見える多動性は落ち着くことが多い。
  • 代わりに「頭の中が常に多動(思考がまとまらない)」「スケジュール管理ができない」「仕事でケアレスミスを連発する」といった形で困りごとが現れやすくなる。

●治療

1. 生活の工夫と環境調整

薬に頼る前に、または併用して以下のような工夫で日常生活の困難を軽減します。

  • 視覚化と小分け: こまめにメモを取る。ToDoリストを目に見える場所に貼り、大きなタスクは細かく分解する。
  • タイマーの活用: 時間を区切ることで集中しやすくする。
  • 刺激の少ない環境: 整理整頓された環境や静かな場所を選ぶ。

2.薬物療法

  • コンサータ(メチルフェニデート): 即効性があり、日中の不注意や多動性を改善します。処方には登録医・登録薬局の厳格なシステムが必要です。
  • ビバンセ(リスデキサンフェタミン): 日中の効果持続時間が長い中枢神経刺激薬です。処方には登録医・登録薬局の厳格なシステムが必要です。
  • ストラテラ(アトモキセチン): 1日1〜2回の服用で丸一日効果が持続します。
  • インチュニブ(グアンファシン): 1日1回の服用で、主に衝動性や多動性に効果を発揮します。

3. 治療用アプリ

学習障害(LD)

学習障害(LD:Learning Disorder / 限局性学習症:Specific Learning Disorder)は、全体的な知的な遅れがないにもかかわらず、「読む」「書く」「計算する・推論する」といった特定の学習能力の習得や使用に著しい困難を示す発達特性です。

本人の努力不足や怠けではなく、脳の機能的な特性が原因であり、大きく分けて3つのタイプがあります。

●3つの主なタイプと具体的な特徴

1. 読み(読字)の困難【ディスレクシア】

文字を正しく認識したり、文字を音に変換したりすることに困難を抱えます。

  • 音読がたどたどしい、または読むのが極端に遅い。
  • 「わ」と「ね」、「め」と「ぬ」など、似た文字を読み間違える。
  • 文の途中で行や文字を飛ばして読んでしまう。
  • 読んでいる文章の意味を理解するのが難しい。

2. 書くこと(書字表出)の困難【ディスグラフィア】

文字の形を認識して正しく再現したり、文章を組み立てて書いたりすることに困難を抱えます。

  • 文字の形や大きさ、バランスが崩れやすい(枠からはみ出すなど)。
  • 鏡文字(左右反転した文字)を書くことが多い。
  • 漢字の細かい部分(トメ・ハネ・ハライ、線の本数)を間違えやすい。
  • 黒板の板書をノートに書き写す(写字)のに著しく時間がかかる。

3. 計算・推論の困難【ディスカリキュリア】

数の概念の理解、基本的な計算、または算数・数学的な推論に困難を抱えます。

  • 数の大きさの感覚(5と8のどちらが大きいかなど)が掴みにくい。
  • 簡単な足し算・引き算でも、いつまでも指を使って計算する。
  • 九九がなかなか覚えられない。
  • 筆算で桁(縦の列)を揃えて書くことができず、計算を間違える。
  • 文章題から必要な情報を読み取って式を立てるのが難しい。

 

●治療

適切な「療育・教育的支援(指導)」や「環境調整(合理的配慮)」を行うことで、本人の生きづらさを軽減し、持っている能力を最大限に伸ばすことができます。

1. 教育的支援・療育(学習のカスタマイズ)

一般的な学習方法ではなく、その子の認知特性(脳の得意な情報処理の仕方)に合わせた方法でアプローチします。

  • 視覚・聴覚の活用:文字を読むのが苦手な場合、音声教材(オーディオブック)を聴きながら文字を追う。
  • スモールステップ:学習内容を細かく分解し、達成感を積み重ねる。
  • 多感覚指導:文字を覚える際、ただ書くだけでなく、声に出しながら空中に大きく書く(体感覚を使う)。

2. 環境調整・合理的配慮(ICTや道具の活用)

苦手な部分をテクノロジーや道具で補い、本質的な学習や思考に集中できる環境を整えます。

  • 読みのサポート:教科書の拡大コピー、文章にルビ(ふりがな)を振る、読み上げソフトの活用。
  • 書きのサポート:タブレット端末やパソコンでのキーボード入力、音声入力、記述式のテストをマークシートや口頭試問に変更する。
  • 計算のサポート:電卓の使用、数出しブロックや算盤、桁がズレないようにマス目が大きいノートの使用。

3. 医療機関でのアプローチ(薬物療法など)

学習障害そのものを治す薬はありませんが、以下のような場合に医療が介入することがあります。

  • 他の発達障害の併存(ADHDなど):不注意や多動・衝動性が原因で学習に集中できない場合、ADHDの治療薬(コンサータやストラテラなど)を服用することで、結果として学習に取り組みやすくなることがあります。
  • 二次的障害のケア:周囲の理解不足から自信を失い、うつ状態、強い不安、不眠などの二次的な症状が出ている場合、それらを和らげるお薬(抗不安薬など)が処方されることがあります。