睡眠障害(不眠症など)|佐倉心療内科クリニック|佐倉市京成臼井駅近く

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睡眠障害(不眠症など)

睡眠障害(不眠症など)|佐倉心療内科クリニック|佐倉市京成臼井駅近く

睡眠障害

睡眠障害

睡眠に関連した多様な病気を、まとめて睡眠障害と呼びます。睡眠に問題があるというとまず思い浮かぶのはこの不眠ですが「眠れない」だけでなく、寝付けない、途中で目が覚めたりする、睡眠中に起き上がって徘徊するなども睡眠障害に含まれます。睡眠不足の結果、日中の眠気やだるさ、集中力の低下など心と身体にさまざまな影響を及ぼすだけでなく、日々の生活に支障をきたし、極端な場合にはさまざまな事故につながることもあります。また、睡眠障害が長期間持続すると、生活習慣病やうつ病などにかかりやすくなると言われています。そのため、睡眠障害は放置せず、適切に対処することが重要です。
代表的な睡眠障害としては、不眠症、概日リズム睡眠覚醒障害、睡眠呼吸障害、睡眠関連運動障害、睡眠時随伴症、過眠症などがあります。

不眠症

不眠症は、眠る機会や環境が適切であるにもかかわらず、なかなか寝つけない(入眠障害)、夜間に途中で何度も起きる(中途覚醒)、朝早く目が覚めてしまい、それ以降眠れなくなる(早朝覚醒)などの症状が出現し、それによって日常生活に何らかの支障(日中の眠気、倦怠感や集中力の低下、仕事の効率や学業成績の低下、眠ることへの強い不安など)を来たす疾患です。

不眠の原因には

  • 精神疾患・ストレス:うつ病、統合失調症、不安障害 など
  • 身体疾患:痛み、かゆみ、心疾患、呼吸器疾患、神経疾患や脳血管疾患 など
  • 睡眠環境:騒音、明るさ など
  • 薬物の副作用:パーキンソン病薬、降圧薬、副腎皮質ステロイド、インターフェロン など

などがあります。
いずれの原因も見つからない不眠を生理的不眠といいます。

概日リズム睡眠覚醒障害

体内時計が発する概日リズムによって夜に眠り、日中に活動するという生活リズムができていますが、概日リズムにズレが生じることで、夜間の十分な睡眠がとれなくなる障害です。睡眠相前進症候群、睡眠相後退症候群、非24時間睡眠覚醒症候群、不規則型睡眠覚醒パターンなどがあります。
時差地域への急速な移動、夜間に仕事を行う交代勤務で体内時計と合わない時間帯に睡眠をとること、夜型の生活などで睡眠時間帯が後ろにずれる(睡眠相後退)ことがあります。
高齢者の場合は、夕方になると眠気が生じ、早朝2~3時に目覚めて入眠できない睡眠相前進型が加齢とともに多くなります。
非24時間睡眠覚醒症候群では寝つく時間、起きる時間が毎日1~2時間ずつ遅れていきます。
不規則型睡眠覚醒パターンでは、睡眠と覚醒の出現が昼夜を問わず出現し、不規則に途切れ途切れに眠る、という特徴があります。

睡眠呼吸障害(睡眠時無呼吸症候群)

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中の呼吸停止を特徴とする睡眠障害です。睡眠時無呼吸は、大きく閉塞性と中枢性に分かれますが、大部分を占めるのは閉塞性睡眠時無呼吸で、中高年男性に多い病気です。

閉塞性睡眠時無呼吸では、睡眠中に気道が狭まることによって、大きないびきとともに、一時的に呼吸停止を繰り返します。それによって血液中の酸素が不足すると覚醒反応が生じて呼吸は再開しますが、再び眠りにつくとまた呼吸が停止します。これらを夜間に繰り返す結果、睡眠が分断され、日中の眠気や居眠り、睡眠休養感の低下、倦怠感などを生じます。睡眠時無呼吸症候群は高血圧、狭心症、脳血管障害などの危険因子になると言われています。

睡眠関連運動障害(レストレスレッグス(むずむず脚)症候群、周期性四肢運動障害など)

レストレスレッグス(むずむず脚)症候群

レストレスレッグス症候群は、安静時に四肢(主に下肢)ムズムズするような異常な感覚が出現し、身体を動かすと症状が軽くなるもので、入眠が障害されます。夕方から夜間にかけて症状が強くなるのが特徴です。
原因が鉄欠乏やドパミンの機能低下が関連していると考えられており、鉄分の低下が起こる慢性腎不全、鉄欠乏性貧血、胃切除後などに伴ってみられることもあります。

周期性四肢運動障害

周期性四肢運動障害は、睡眠中に四肢(主に下肢)の筋肉がぴくぴくと痙攣することによって途中で目が覚めたり、眠りが浅くなったりします。むずむず脚症候群と合併が多いことが知られています。原因はわかっていません。

睡眠時随伴症(レム睡眠行動障害、夢遊病、夜驚症など)

レム睡眠行動障害

レム睡眠は体が休んでいても脳が活発に動いている状態で、夢はみますが身体は休んでいる状態です。そのため、骨格筋は弛緩おり身体の動きはありません。
しかし、レム睡眠行動障害では、夢の内容に一致する異常行動や大きな寝言がみられます。ときに家具を壊すことや、一緒に寝ている家族にけがを負わせることもあります。レム睡眠時行動障害は、レビー小体型認知症、パーキンソン病、多系統萎縮症などの神経変性疾患の前駆症状としてみられることがあります。

ノンレム睡眠行動障害

睡眠時遊行症(夢遊病)や睡眠時驚愕症(夜驚症)などがあり、多くは小児期に見られます。夢遊病は睡眠中に歩き回るほか、布団の上に座るだけのものから、廊下で放尿をしてしまうような目的を持った行動まであります。夜驚症は大声を上げて激しい恐怖を示すことがあります。その最中に起こそうとしても覚醒させることは非常に困難です。

過眠症(特発性過眠症、ナルコレプシーなど)

過眠症とは、夜に十分な睡眠時間をとっているのに日中に過度の眠気によって仕事や学習などに支障をきたす状態です。過眠症にはナルコレプシー、特発性過眠症、薬剤による過眠があります。

ナルコレプシー

ナルコレプシーは、急に眠たくなって眠ってしまう睡眠発作、笑う・驚くなどの感情で突然身体の力が抜ける情動脱力発作、眠りに入る際の入眠時幻覚、睡眠麻痺(金縛り)などがみられます。ナルコレプシーの原因には覚醒を維持する物質(オレキシン)の低下が関係しています。

特発性過眠症

特発性過眠症は、夜に十分な睡眠時間をとっても日中に過度な眠気が続く原因不明の過眠症で、慢性の睡眠不足との鑑別が重要です。

薬剤性過眠症

抗アレルギー薬や抗不安薬等の副作用である眠気や、睡眠導入薬が残ることで生じます。

睡眠障害の治療

上記のように、睡眠障害は他の病気が原因で起こっている場合もありますので、診察の中で睡眠障害の原因とそのタイプを正しく診断することが重要と考えます。

睡眠障害の治療は、良い睡眠をとるための生活習慣の見直し(睡眠衛生指導)を行うとともに、必要に応じて薬物療法を行います。睡眠障害のタイプによって処方する薬の内容が変わり、睡眠薬や一部抗不安薬や抗てんかん薬を用いることもあります。睡眠導入薬は当初はしっかりと飲んでいただき、症状が良くなった段階で依存性や耐性を考慮しながら減薬していくことが大切です。